楽典 UNIT 06
音符と休符
Notes & Rests
6
音符の種類
6
休符の種類
付点
特殊記号
10問
演習問題数
この単元について
音符と休符は楽譜を読む・書くための最も基本的な要素。音価の計算は拍子・リズム・聴音すべての土台となる。
この単元で身につけること
- ●全音符から三十二分音符まで6種類の音価を瞬時に答えられる
- ●対応する休符の形と音価を正確に書ける
- ●付点音符・複付点音符の音価を計算できる
- ●タイとスラーの違いを説明できる
- ●3連符の仕組みと音価を理解する
学習の進め方
1
音符の種類と音価タブで基本音価を暗記(10分)
2
休符の種類タブで形の特徴を覚える(10分)
3
付点・タイ・連符タブで計算方法をマスター(15分)
4
演習10問 → 添削課題提出(15分)
受験での重要度:高
音価の計算は拍子・リズム聴音・楽式問題のすべてに絡む。特に付点音符の計算(×1.5)と全休符・二分休符の形の違いは頻出ミスポイント。タイとスラーの混同も要注意。
音価の計算は拍子・リズム聴音・楽式問題のすべてに絡む。特に付点音符の計算(×1.5)と全休符・二分休符の形の違いは頻出ミスポイント。タイとスラーの混同も要注意。
音符の種類と音価
四分音符(♩)を「1拍」の基本単位として、各音符の音価(長さ)を覚える。
音符一覧(四分音符=1拍)
| 名称 | 記号 | 音価(拍) | 全音符との比 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 全音符 | 𝅝 | 4拍 | 1 | 白い楕円のみ(符幹なし) |
| 二分音符 | 𝅗𝅥 | 2拍 | 1/2 | 白い楕円+符幹 |
| 四分音符 | ♩ | 1拍 | 1/4 | 黒い楕円+符幹(基本単位) |
| 八分音符 | ♪ | 1/2拍 | 1/8 | 黒楕円+符幹+旗1本 |
| 十六分音符 | 𝅘𝅥𝅯 | 1/4拍 | 1/16 | 旗2本 |
| 三十二分音符 | 𝅘𝅥𝅰 | 1/8拍 | 1/32 | 旗3本 |
音価の関係(倍数関係)
全音符 4拍
÷2 →
二分 2拍
÷2 →
四分 1拍
÷2 →
八分 1/2拍
÷2 →
十六分 1/4拍
÷2 →
三十二分 1/8拍
覚え方:音符名の数字(2・4・8・16・32)が分母になる。四分音符が「4分の1」なので音価は1拍(4/4の分母が4のときの基本単位)。
受験ポイント:「四分音符を1拍としたとき、◯◯音符は何拍か」という問いは頻出。全音符は4拍、二分音符は2拍、八分音符は0.5拍(1/2)と即答できるようにすること。
休符の種類
休符は「音のない音価」。形と五線上の位置が音符と対応している。形の違いが試験でよく問われる。
休符一覧と五線上の位置
| 名称 | 音価 | 形の特徴 | 五線上の位置 |
|---|---|---|---|
| 全休符 | 4拍 | 黒い長方形(重い) | 第4線の下にぶら下がる |
| 二分休符 | 2拍 | 黒い長方形(軽い) | 第3線の上に乗る |
| 四分休符 | 1拍 | くねった線(Z字型) | 第1〜4線の間 |
| 八分休符 | 1/2拍 | 7の字の変形 | 第2線あたり |
| 十六分休符 | 1/4拍 | 八分休符に線を追加 | ― |
| 三十二分休符 | 1/8拍 | さらに線を追加 | ― |
全休符 vs 二分休符(最重要!)
全休符:重くて下にぶら下がる
→ 「空から降ってきた黒い石が線に引っかかる」
二分休符:軽くて上に乗る
→ 「帽子が線の上に置いてある」
→ 「空から降ってきた黒い石が線に引っかかる」
二分休符:軽くて上に乗る
→ 「帽子が線の上に置いてある」
付点休符
音符と同様、休符にも付点をつけることができる。
付点四分休符 = 1.5拍
付点二分休符 = 3拍
付点八分休符 = 3/4拍
付点四分休符 = 1.5拍
付点二分休符 = 3拍
付点八分休符 = 3/4拍
全休符の特別な使い方:拍子に関係なく、1小節全体の休みを表すときに全休符を使う。3/4拍子でも4/4拍子でも、小節全体が休みなら全休符1個を書く。
付点・タイ・連符
音価を変形・拡張する特殊記号。これらの計算をマスターすれば、あらゆるリズムを読み解ける。
付点音符(Dotted Note)
音符の右側に点(付点)をつけると、元の音価の1.5倍になる。
計算式:付点音符 = 元の音価 × 1.5 = 元の音価 + 元の音価 ÷ 2
計算式:付点音符 = 元の音価 × 1.5 = 元の音価 + 元の音価 ÷ 2
| 音符 | 元の音価 | 付点後の音価 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| 付点二分音符 | 2拍 | 3拍 | 2 + 1 = 3 |
| 付点四分音符 | 1拍 | 1.5拍 | 1 + 0.5 = 1.5 |
| 付点八分音符 | 0.5拍 | 0.75拍 | 0.5 + 0.25 = 0.75 |
複付点音符(Double Dotted Note)
2つの点をつけると、元の音価の1.75倍になる。
計算式:複付点音符 = 元の音価 + 元÷2 + 元÷4
例)複付点四分音符 = 1 + 0.5 + 0.25 = 1.75拍
計算式:複付点音符 = 元の音価 + 元÷2 + 元÷4
例)複付点四分音符 = 1 + 0.5 + 0.25 = 1.75拍
タイ(Tie)とスラー(Slur)
タイ(Tie)
同じ音高の音符を弧線で結ぶ
→ 音価を合計して1音として演奏する
例:四分音符+四分音符をタイで結ぶ
= 二分音符(2拍)と同じ
→ 音価を合計して1音として演奏する
例:四分音符+四分音符をタイで結ぶ
= 二分音符(2拍)と同じ
スラー(Slur)
異なる音高の音符を弧線で結ぶ
→ なめらかに(レガートで)演奏する指示
音価は変わらない
※形は同じだが意味がまったく異なる
→ なめらかに(レガートで)演奏する指示
音価は変わらない
※形は同じだが意味がまったく異なる
連符(Tuplet)
通常の均等分割とは異なる数に分割するリズム。最も一般的なのは3連符。
3連符(Triplet):通常2分割されるところを3等分する
• 八分3連符:四分音符1拍分を3等分 → 1個あたり 1/3拍
• 3個合計 = 1拍(四分音符と同じ)
四分3連符:二分音符2拍分を3等分 → 1個あたり 2/3拍
• 3個合計 = 2拍(二分音符と同じ)
3連符(Triplet):通常2分割されるところを3等分する
• 八分3連符:四分音符1拍分を3等分 → 1個あたり 1/3拍
• 3個合計 = 1拍(四分音符と同じ)
四分3連符:二分音符2拍分を3等分 → 1個あたり 2/3拍
• 3個合計 = 2拍(二分音符と同じ)
タイとスラーの見分け方:タイは同じ音の記譜(五線上で同じ高さの音符が2つ以上並んで弧線で結ばれている)。楽譜上に「同じ高さの2つの音符が弧線でつながっていたら必ずタイ」と覚えると実践的。
書き方と注意点
受験の筆記試験では、音符・休符の正確な書き方が求められる。形の誤りは減点対象になる。
音符の書き方ルール
符頭(たまご部分):やや傾けた楕円形。全音符・二分音符は白(空洞)、四分音符以下は黒く塗りつぶす
符幹(棒の部分):第3線より上の音符は下向き、第3線より下は上向き。第3線の音符はどちらでもよい
符尾(旗の部分):常に右側に書く(符幹が下向きでも上向きでも旗は右)
符幹の長さ:通常1オクターブ(五線5本分)程度
符幹(棒の部分):第3線より上の音符は下向き、第3線より下は上向き。第3線の音符はどちらでもよい
符尾(旗の部分):常に右側に書く(符幹が下向きでも上向きでも旗は右)
符幹の長さ:通常1オクターブ(五線5本分)程度
よくある書き方ミス
音符のミス
× 二分音符の符頭を黒く塗る
× 符幹の方向(上下)が間違い
× 旗が左向きになっている
× 符尾(旗)の向きの誤り
× 符頭が丸すぎる(正確な楕円に)
× 符幹の方向(上下)が間違い
× 旗が左向きになっている
× 符尾(旗)の向きの誤り
× 符頭が丸すぎる(正確な楕円に)
休符のミス
× 全休符と二分休符の混同(最多)
× 全休符を第4線の上に置く
× 二分休符を第3線の下にぶら下げる
× 四分休符の形が不正確(Z字型)
× 八分休符を四分休符と混同
× 全休符を第4線の上に置く
× 二分休符を第3線の下にぶら下げる
× 四分休符の形が不正確(Z字型)
× 八分休符を四分休符と混同
連符の書き方
3連符の表記:音符群の上(または下)に弧線を引き、中に「3」の数字を書く
• 弧線は音符群全体を囲むように
• 数字は弧線の中央上に書く
連桁(ビーム):八分音符以下を複数並べるとき、旗の代わりに横線(連桁)でつなぐ。1拍ごとにまとめて書くのが基本。
• 弧線は音符群全体を囲むように
• 数字は弧線の中央上に書く
連桁(ビーム):八分音符以下を複数並べるとき、旗の代わりに横線(連桁)でつなぐ。1拍ごとにまとめて書くのが基本。
採点のポイント:受験では「正確な形」が採点されます。全休符と二分休符の「ぶら下がる vs 乗る」は特に厳しく見られます。答案を書いたら必ず見直す習慣をつけましょう。
演習問題(10問)
音価・休符の形・付点の計算・タイとスラーの違いを確認します。8問以上で添削課題へ進んでください。
添削課題(単元06)
紙に答えを書いて写真撮影後、LINEで「楽典 単元06」と明記して提出してください。
提出方法:① A4白紙に問題番号と答えを記入 ② スマホで撮影 ③ LINEの「課題提出」メニューから送信
問1 — 音価の計算(10点)
次の音符の音価(四分音符=1とした数値)を答えなさい。
① 全音符 ② 二分音符 ③ 八分音符 ④ 十六分音符 ⑤ 付点四分音符 ⑥ 付点八分音符 ⑦ 複付点四分音符 ⑧ 三十二分音符 ⑨ 付点二分音符 ⑩ 八分3連符1個
① 全音符 ② 二分音符 ③ 八分音符 ④ 十六分音符 ⑤ 付点四分音符 ⑥ 付点八分音符 ⑦ 複付点四分音符 ⑧ 三十二分音符 ⑨ 付点二分音符 ⑩ 八分3連符1個
各1点。分数・小数どちらでも可。
問2 — 休符の識別(10点)
次の各休符の名称と音価を答えなさい(各2点)。
① 第4線にぶら下がる黒い長方形
② 第3線の上に乗る黒い長方形
③ Z字(くねった線)の形
④ 7の字の変形した形で旗が1本
⑤ ④と同じ形で旗が2本
① 第4線にぶら下がる黒い長方形
② 第3線の上に乗る黒い長方形
③ Z字(くねった線)の形
④ 7の字の変形した形で旗が1本
⑤ ④と同じ形で旗が2本
名称と音価の両方正解で各2点。
問3 — 音価の合計(10点)
次の音価の合計が4拍になるように( )に当てはまる音符を答えなさい。
① 全音符 + ( )
② 二分音符×2 + ( )
③ 付点二分音符 + ( )
④ 八分音符×3 + ( )
⑤ 二分音符 + 付点四分音符 + ( )
① 全音符 + ( )
② 二分音符×2 + ( )
③ 付点二分音符 + ( )
④ 八分音符×3 + ( )
⑤ 二分音符 + 付点四分音符 + ( )
各2点。
問4 — タイとスラーの違い(10点)
① タイとスラーの違いを「音高」「演奏上の意味」「音価への影響」の3点から説明しなさい。(6点)
② 付点音符の計算式を書き、付点四分音符と複付点四分音符の音価をそれぞれ求めなさい。(4点)
② 付点音符の計算式を書き、付点四分音符と複付点四分音符の音価をそれぞれ求めなさい。(4点)
①各2点(3点×2=6点) ②計算式1点・各音価1点ずつ(計3点)。
問5 — 連符(10点)
① 3連符とは何か説明しなさい。(4点)
② 八分3連符3個の合計音価を答えなさい。(2点)
③ 四分3連符3個の合計音価を答えなさい。(2点)
④ 連符を楽譜上で表記する際のルールを書きなさい。(2点)
② 八分3連符3個の合計音価を答えなさい。(2点)
③ 四分3連符3個の合計音価を答えなさい。(2点)
④ 連符を楽譜上で表記する際のルールを書きなさい。(2点)
各設問に点数を振り分け。定義が正確であること。
採点基準(講師用)
問配点合格目安主な失点パターン
問1 音価計算10点8点付点・複付点の計算式ミス
問2 休符識別10点8点全休符と二分休符の混同
問3 音価合計10点8点残りの音価の計算ミス
問4 タイ・スラー10点7点音高の違いの説明が不十分
問5 連符10点6点3連符の定義が曖昧
合計50点40点以上で次単元へ