楽典 UNIT 01
音名・音部記号・加線
Note Names · Clefs · Ledger Lines
4
音名の体系
3
音部記号の種類
7
音名の数(ド〜シ)
10問
演習問題数
この単元について
音名・音部記号・加線は楽典のすべての出発点。全科目の問題は五線上の音を読む能力を前提とする。
この単元で身につけること
- ●日本語・ドイツ語・イタリア語・英語の音名を対応させて即答できる
- ●ト音記号の五線上すべての音(C4〜F5)を即読できる
- ●ヘ音記号の五線上すべての音(G2〜A3)を即読できる
- ●加線を用いた音(中央のドを含む上下3本程度)を正しく読める
- ●ハ音記号(アルト記号・テノール記号)の基本を理解する
学習の進め方
1
音名タブで4か国語対応表を暗記(15分)
2
音部記号タブでインタラクティブ練習(20分)
3
加線・ハ音記号タブで発展内容を確認(10分)
4
演習10問 → 添削課題提出(15分)
受験での重要度:最高
音名の知識は全科目(楽典・ソルフェージュ・聴音・対位法)の大前提。特にドイツ音名のH(シ)とB(シ♭)の違いは必ず暗記。和声の問題文でも「H音」「C音」のようにドイツ音名が使われることが多い。
音名の知識は全科目(楽典・ソルフェージュ・聴音・対位法)の大前提。特にドイツ音名のH(シ)とB(シ♭)の違いは必ず暗記。和声の問題文でも「H音」「C音」のようにドイツ音名が使われることが多い。
音名の4つの体系
音楽では音の呼び方が複数あります。日本の音大受験ではドイツ音名が主に使われます。
音名一覧表(ハ長調の7音)
| 日本語 | イタリア語 | ドイツ語(重要) | 英語 |
|---|---|---|---|
| ハ | Do(ド) | C(ツェー) | C |
| ニ | Re(レ) | D(デー) | D |
| ホ | Mi(ミ) | E(エー) | E |
| ヘ | Fa(ファ) | F(エフ) | F |
| ト | Sol(ソ) | G(ゲー) | G |
| イ | La(ラ) | A(アー) | A |
| ロ | Si(シ) | H(ハー)⚠️ | B |
最重要:ドイツ音名のH(ハー)とB(ベー)
ドイツ音名では シ(B♮)→「H」、シ♭(B♭)→「B」 と書きます。
英語の B はシ(B♮)ですが、ドイツ語の B はシ♭(B♭)です。これが最大の落とし穴。
覚え方:「H はナチュラルのシ、B は B♭ のシ」
ドイツ音名では シ(B♮)→「H」、シ♭(B♭)→「B」 と書きます。
英語の B はシ(B♮)ですが、ドイツ語の B はシ♭(B♭)です。これが最大の落とし穴。
覚え方:「H はナチュラルのシ、B は B♭ のシ」
変化音のドイツ音名(語尾変化)
| 変化記号 | 規則 | 例 | 主な例外 |
|---|---|---|---|
| ♯(シャープ) | 語尾に -is | Cis・Dis・Fis・Gis・Ais | なし |
| ♭(フラット) | 語尾に -es | Ces・Des・Ges・Hes(=B) | B=B♭、Es=E♭、As=A♭ |
| ×(ダブル♯) | 語尾に -isis | Cisis・Fisis | なし |
| 𝄫(ダブル♭) | 語尾に -eses | Ceses・Deses | Ases・Eses |
受験頻出のドイツ音名12音(半音階)
C — Cis — D — Es — E — F — Fis — G — Gis — A — B — H — C
(ツェー・ツィス・デー・エス・エー・エフ・フィス・ゲー・ギス・アー・ベー・ハー・ツェー)
この順番を声に出して繰り返し練習すること。
C — Cis — D — Es — E — F — Fis — G — Gis — A — B — H — C
(ツェー・ツィス・デー・エス・エー・エフ・フィス・ゲー・ギス・アー・ベー・ハー・ツェー)
この順番を声に出して繰り返し練習すること。
音部記号(Clef)とは
五線上のどの位置がどの音かを指定する記号。記号が変わると同じ位置でも音名が変わる。
ト音記号(Treble Clef)— 第2線がソ(G4)
「ト(G)音記号」と呼ぶのは第2線がG(ソ)に固定されるから。弦楽器・木管・声楽等で広く使用。
線の覚え方(ミ・ソ・シ・レ・ファ) Every Good Boy Does Fine
第1線:ミ(E4) 第2線:ソ(G4)★基準 第3線:シ(B4) 第4線:レ(D5) 第5線:ファ(F5)
間の覚え方(ファ・ラ・ド・ミ) FACE(第1間F・第2間A・第3間C・第4間E)
第1線:ミ(E4) 第2線:ソ(G4)★基準 第3線:シ(B4) 第4線:レ(D5) 第5線:ファ(F5)
間の覚え方(ファ・ラ・ド・ミ) FACE(第1間F・第2間A・第3間C・第4間E)
ヘ音記号(Bass Clef)— 第4線がファ(F3)
「ヘ(F)音記号」と呼ぶのは第4線がF(ファ)に固定されるから。チェロ・コントラバス・低音声部等で使用。
線の覚え方(ソ・シ・レ・ファ・ラ) Good Boys Do Fine Always
第1線:ソ(G2) 第2線:シ(B2) 第3線:レ(D3) 第4線:ファ(F3)★基準 第5線:ラ(A3)
間の覚え方(ラ・ド・ミ・ソ) All Cows Eat Grass
第1線:ソ(G2) 第2線:シ(B2) 第3線:レ(D3) 第4線:ファ(F3)★基準 第5線:ラ(A3)
間の覚え方(ラ・ド・ミ・ソ) All Cows Eat Grass
インタラクティブ:音符の位置を確認
音名ボタンをクリックして、ト音記号・ヘ音記号上の位置を確認しましょう。
ト音記号
ヘ音記号
加線(かせん / Ledger Lines)
五線の音域を超えた音を書くために、五線の上下に臨時で引く短い線。
加線のルール
① 音符の幅程度の短い線を音符の左右に均等にはみ出させて引く
② 五線の上下どちらにも使える
③ 複数必要な場合は五線に近い方から順に引く(飛び越し不可)
④ 音符が線の上か、線と線の間かで音名が変わる
② 五線の上下どちらにも使える
③ 複数必要な場合は五線に近い方から順に引く(飛び越し不可)
④ 音符が線の上か、線と線の間かで音名が変わる
中央のド(C4)— 両記号をつなぐ最重要音
ト音記号の中央のド
第1線の下の加線(下加線1本)
ヘ音記号の中央のド
第5線の上の加線(上加線1本)
中央のド(C4)は大譜表の中間に位置する音。ト音記号では下に飛び出し(下加線1本)、ヘ音記号では上に飛び出す(上加線1本)。同じ音が異なる位置に書かれることをしっかり覚える。
ト音記号 — よく使う加線の音
| 位置 | 音名(日本語) | ドイツ音名 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 下加線1本(線上) | ド(C4)★ | c¹ | 中央のド・最重要 |
| 第1線の下の間 | レ(D4) | d¹ | 加線なし・五線外 |
| 第5線の上の間 | ソ(G5) | g² | 加線なし・五線外 |
| 上加線1本(線上) | ラ(A5) | a² | 加線1本 |
| 上加線1本と五線の間 | シ(B5) | h² | 加線1本上の間 |
| 上加線2本(線上) | ド(C6) | c³ | 高いド |
加線を読むコツ:五線の端の線(第1線または第5線)から、音名を1段ずつ(線→間→線→間…)と数えていく。各段は9px(半ステップ)ずつ動く。
ハ音記号(C Clef)
「ハ(C = ド)」が特定の線に来ることを示す記号。受験ではアルト記号・テノール記号が頻出。
アルト記号(Alto Clef)
第3線 = ド(C4)中央のド
使用楽器:ヴィオラ
音域:C3〜E5程度
使用楽器:ヴィオラ
音域:C3〜E5程度
テノール記号(Tenor Clef)
第4線 = ド(C4)中央のド
使用楽器:チェロ・ファゴット・トロンボーン(高音域)
音域:G2〜B4程度
使用楽器:チェロ・ファゴット・トロンボーン(高音域)
音域:G2〜B4程度
アルト記号の音名一覧(第3線 = C4)
| 位置 | 音名 | ドイツ音名 |
|---|---|---|
| 第1線 | ファ(F3) | f |
| 第1間 | ソ(G3) | g |
| 第2線 | ラ(A3) | a |
| 第2間 | シ(B3) | h |
| 第3線 | ド(C4)★ | c¹ |
| 第3間 | レ(D4) | d¹ |
| 第4線 | ミ(E4) | e¹ |
| 第4間 | ファ(F4) | f¹ |
| 第5線 | ソ(G4) | g¹ |
受験での出題パターン
① アルト記号で書かれた音符のドイツ音名を答える
② 「ヴィオラに使われる音部記号は?」→ アルト記号
③ アルト記号で書かれた音をト音記号で書き直す(移調問題)
まず「アルト記号の第3線=C4」を体に染み込ませること。
① アルト記号で書かれた音符のドイツ音名を答える
② 「ヴィオラに使われる音部記号は?」→ アルト記号
③ アルト記号で書かれた音をト音記号で書き直す(移調問題)
まず「アルト記号の第3線=C4」を体に染み込ませること。
演習問題(10問)
音名・音部記号・加線に関する問題です。8問以上で添削課題へ進んでください。
添削課題(単元01)
紙に答えを書いて写真撮影後、LINEで「楽典 単元01」と明記して提出してください。
提出方法:① A4白紙に問題番号と答えを記入 ② スマホで撮影 ③ LINEの「課題提出」メニューから送信
問1 — 音名の変換(10点)
次のイタリア音名をドイツ音名(大文字)で答えなさい。
① Do ② Re ③ Mi ④ Fa ⑤ Sol ⑥ La ⑦ Si ⑧ Si♭ ⑨ Re♯ ⑩ Mi♭
① Do ② Re ③ Mi ④ Fa ⑤ Sol ⑥ La ⑦ Si ⑧ Si♭ ⑨ Re♯ ⑩ Mi♭
各1点。Si→H、Si♭→B の区別に注意。
問2 — ト音記号の音読み(10点)
ト音記号で次の位置にある音のドイツ音名を答えなさい。
① 第1線 ② 第2線 ③ 第3線 ④ 第4線 ⑤ 第5線 ⑥ 第1間 ⑦ 第2間 ⑧ 第3間 ⑨ 第4間 ⑩ 下加線1本(線上)
① 第1線 ② 第2線 ③ 第3線 ④ 第4線 ⑤ 第5線 ⑥ 第1間 ⑦ 第2間 ⑧ 第3間 ⑨ 第4間 ⑩ 下加線1本(線上)
各1点。
問3 — ヘ音記号の音読み(10点)
ヘ音記号で次の位置にある音のドイツ音名を答えなさい。
① 第1線 ② 第2線 ③ 第3線 ④ 第4線 ⑤ 第5線 ⑥ 第1間 ⑦ 第2間 ⑧ 第3間 ⑨ 第4間 ⑩ 上加線1本(線上)
① 第1線 ② 第2線 ③ 第3線 ④ 第4線 ⑤ 第5線 ⑥ 第1間 ⑦ 第2間 ⑧ 第3間 ⑨ 第4間 ⑩ 上加線1本(線上)
各1点。
問4 — 加線の音読み(10点)
ト音記号で次の位置の音のドイツ音名を答えなさい。
① 下加線1本(線上) ② 下加線1本と第1線の間 ③ 上加線1本(線上) ④ 上加線1本と第5線の間 ⑤ 上加線2本(線上)
ヘ音記号で:⑥ 上加線1本(線上) ⑦ 上加線1本と第5線の間 ⑧ 下加線1本(線上) ⑨ 下加線1本と第1線の間 ⑩ 下加線2本(線上)
① 下加線1本(線上) ② 下加線1本と第1線の間 ③ 上加線1本(線上) ④ 上加線1本と第5線の間 ⑤ 上加線2本(線上)
ヘ音記号で:⑥ 上加線1本(線上) ⑦ 上加線1本と第5線の間 ⑧ 下加線1本(線上) ⑨ 下加線1本と第1線の間 ⑩ 下加線2本(線上)
各1点。①がC(中央のド)であることを確認してから解くこと。
問5 — 記述(10点)
① ドイツ音名で「H」と「B」はそれぞれ何の音か、日本語・イタリア語音名とともに説明しなさい。(3行)
② ハ音記号(アルト記号)の特徴と、主にどの楽器で使われるかを説明しなさい。(2行)
② ハ音記号(アルト記号)の特徴と、主にどの楽器で使われるかを説明しなさい。(2行)
①6点・②4点。
採点基準(講師用)
問配点合格目安主な失点パターン
問1 音名変換10点9点H と B の混同
問2 ト音記号10点9点線と間の混同
問3 ヘ音記号10点8点ト音記号との混同
問4 加線10点7点加線を正しく数えられない
問5 記述10点6点H と B の説明が不正確
合計50点40点以上で次単元へ